ティピカル(Typical)とは日常では典型的、代表的、一般的などの意味で使用される言葉です。工業的にはティピカル値(Typical Value)を意味することが多く、Typ.と略される場合もあります。
ティピカル値とは、部品や製品のスペックを表わす値の一つで、通常の使用条件でのおおよその値を意味します。データシートに記載され、代表値や通常値、基準値などの言葉と同じ意味で使われるケースも多いです。
ティピカル値を取り扱う際には、ティピカル値とは統計的に導き出される値であることに注意しなければいけません。たとえば学校で行われたある試験の平均点が65点だったとしても、全員の得点が65点という意味ではないのと似ています。
ティピカル値は、部品や製品を通常の条件で使用した際の代表的な数値ですので、該当のものを同じ条件で使用しても、必ずしもティピカル値が出力されるわけではなく、定められた規格の範囲内でのばらつきを生じます。
そのため部品や製品を選定する際にはティピカル値だけでなく最小値や最大値なども併せて確認する必要があります。
松定プレシジョンでは、仕様書やカタログでティピカル値をTypと表記し、電源装置の入力電流値やリップル値などに使用しています。入力電流は、定格入力電圧で、最大定格出力の時の代表的な電流値を表しています。