アイソレーションとは絶縁分離ともよばれ、回路にあるそれぞれの部品やポイントに対し、電気的および物理的に分離することを意味します。アイソレーションは、電源回路や高速通信、長距離通信などに用いられます。絶縁には5つの種類があり、その内訳は、機能絶縁、基礎絶縁、付加絶縁、二重絶縁、強化絶縁です。絶縁の方式にもさまざまな方式があり、ガルバニック絶縁、光絶縁方式、磁気絶縁方式、容量絶縁方式などがその代表です。
高圧電源回路においては、電流サージなどの影響により、機器の故障や利用者の感電事故が発生するのを防ぎ、高速通信や長距離通信においては、それぞれの通信ポイントのグラウンドが相互に接続し、グラウンドループによるノイズの発生を防止します。
アイソレーションは主に、安定化電源やモーターの制御システム、産業用のセンサーや各種インターフェース、計測機器などに使用されます。アイソレータを選定する際には、電源電流や入力信号電流をはじめ、電源や信号電圧の範囲などのパラメータを基に選定します。沿面距離や空間距離なども重要なパラメータです。
またアイソレーションには、アイソレーションアンプ、デジタルアイソレータ、光アイソレータなどの機器のほか、フォトカプラ、トランス、コイルなどが用いられます。またそれぞれの機器において工業用途や情報技術用途、医療や家庭、計測、制御、電気通信といった使用目的ごとに規格が定められています。