電源機器における4象限(quadrants)とは電圧も電流も、プラスとマイナスの両方が出力できるものを意味します。
電源機器は1象限の機器、2象限をカバーする機器、4象限をカバーする機器に分類できます。1象限の機器は電圧が+で電流も+になるもの、つまり電源として作動するものになります。
高圧電源では、第1象限の正極出力電源と第3象限の負極出力電源はそれぞれ別の製品になりますが、低圧の直流電源では、正極と負極のどちらを接地するかによって第1象限と第3象限を切り替えて使える電源になります。
第1象限と第2象限の2象限をカバーする機器は、電圧はプラス、電流はプラスとマイナス(供給と吸収)に対応できます。この機器は、双方向電源とよばれ、特に電力を入力側に回生できる電源は回生電源とよばれています。
4象限をカバーする機器では電圧も電流も、プラスとマイナスの対応し供給(電源)と吸収(負荷)の動作が可能です。この領域に対応する電源をバイポーラ電源とよびます。
バイポーラ電源は直流電源として利用されます。しかし一般的な直流電源に比べると、出力の幅が広く高速動作が可能なのがメリットです。
バイポーラ電源は、容量性負荷や誘導負荷に対応し、コンデンサの高周波リップル試験用電源や高電圧印加時のインピーダンス測定用電源などに利用されます。
SOURCE:電圧と電流の向きが同じ(供給) SINK:電圧と電流の向きが逆(吸収)