検索中...

サポート

EMC

EMCとは電磁両立性を意味し、英語ではElectromagnetic Compatibilityと表記されます。電磁両立性とは、ある機器が周りの機器に対して電磁的な妨害源にならず、かつ周りの機器から電磁的な干渉を受けない、または干渉を受けたとしても正常に動作できることを指します。

例えば家庭内において、電子レンジを使用すると無線LANやBluetooth接続の調子が悪くなるケースがあります。これは電子レンジが無線LANやBluetoothを使用する機器に対し電磁的な妨害を与えている状態です。
他にも、掃除機やドライヤーをテレビの近くで使うと画像が乱れるなど、干渉を受けて正常な動作ができない場合があります。このような状態にならないための対策や耐性をEMCといいます。
つまりEMCとは、ある機器が、ノイズの放出を抑える能力と、ノイズに対する耐性の両方を両立させて持っているという意味になります。
なお、ノイズの放出を抑える対策はエミッション(EMI)、ノイズに対する耐性はイミュニティ(EMS)と呼ばれます。
さまざまなものが電子化され、多くの電子機器が同時に稼働する時代においては、EMCがより一層重要になっていきます。

EMC|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
アーク放電

アーク放電とは、電弧放電ともよばれ、低電圧、高電流の時に発生します。英語ではArk Dischargeと表記します。高温度の陰極から熱電子を大量に放出しながら持続的に放電するのが特徴です。

アーク放電には、熱陰極アーク放電と冷陰極アーク放電の2種類があります。
熱陰極アーク放電は、陰極が加熱され熱電子が放出されることによって発生します。熱陰極アーク放電は蛍光灯、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、水銀ランプなどの光源のほか、熱プラズマ、プラズマトーチなどのプラズマ発生に利用されます。
一方で冷陰極アーク放電では、陰極表面にある非常に強い電界によって直接電子が放出されます。冷陰極放電ランプ(CCFL)などの冷陰極放電ランプは、アーク放電ではなくグロー放電に属します。

アーク放電を利用した最も身近な機器は蛍光灯です。蛍光灯では放出された熱電子が蛍光管内部の水銀電子に衝突し、それによって発生した紫外線が蛍光管内部に塗られた蛍光体を発光させています。
またアーク放電はアーク溶接や放電加工などの金属加工にも使用されています。しかし、高温なため危険が伴います。松定プレシジョンでは不用意なアーク放電に対する保護機能を備えた高圧電源をご用意しています。

アーク放電|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
アイソレーション

アイソレーションとは絶縁分離ともよばれ、回路にあるそれぞれの部品やポイントに対し、電気的および物理的に分離することを意味します。アイソレーションは、電源回路や高速通信、長距離通信などに用いられます。絶縁には5つの種類があり、その内訳は、機能絶縁、基礎絶縁、付加絶縁、二重絶縁、強化絶縁です。絶縁の方式にもさまざまな方式があり、ガルバニック絶縁、光絶縁方式、磁気絶縁方式、容量絶縁方式などがその代表です。

高圧電源回路においては、電流サージなどの影響により、機器の故障や利用者の感電事故が発生するのを防ぎ、高速通信や長距離通信においては、それぞれの通信ポイントのグラウンドが相互に接続し、グラウンドループによるノイズの発生を防止します。

アイソレーションは主に、安定化電源やモーターの制御システム、産業用のセンサーや各種インターフェース、計測機器などに使用されます。アイソレータを選定する際には、電源電流や入力信号電流をはじめ、電源や信号電圧の範囲などのパラメータを基に選定します。沿面距離や空間距離なども重要なパラメータです。
またアイソレーションには、アイソレーションアンプ、デジタルアイソレータ、光アイソレータなどの機器のほか、フォトカプラ、トランス、コイルなどが用いられます。またそれぞれの機器において工業用途や情報技術用途、医療や家庭、計測、制御、電気通信といった使用目的ごとに規格が定められています。

アイソレーション|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
インピーダンス

インピーダンスとは、交流回路における電流の流れにくさを示します。電圧と電流の比によって表され、単位は抵抗と同様に「Ω」が使用されます。直流回路においては、コイルやコンデンサが電流を妨げることはありません。

しかし、交流回路においては、抵抗だけでなくコイルやコンデンサ、回路そのものも電流を妨げる抵抗のような働きをします。
例えばコイルの場合、電圧が一定している場合には電流を妨げません。しかし、電圧が変化すると電磁誘導の働きによりその変化に逆らおうとするため、電流を妨げる現象が発生します。そのためコイルがインピーダンスになるのです。

このように、交流回路において電流を妨げる全てのものをインピーダンスとして取り扱います。
また、インピーダンスに含まれるもののうち、抵抗のように周波数によって数値の変化しないものをレジスタンス(抵抗)、周波数によって値が変化するものをリアクタンスと分類します。回路の自己インピーダンスや共通インピーダンスは、機器の誤作動につながるため注意が必要です。またこのようなインピーダンスを診断する方法としてインピーダンスアナライザがあります。

インピーダンス|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
カットオフ

カットオフとは、切ったり意図的に止めたりする意味をもちます。カットオフ周波数(Cutoff frequency)は、遮断周波数ともよばれ、フィルタ回路において信号の通過域と遷移域との境界となる周波数を指します。

フィルタ回路とは、特定の周波数帯の信号のみを通過させ、それ以外の周波数帯の信号は減衰させるための回路で、受信した信号から、ノイズを除去するために使われます。つまり、通過域の周波数が信号として受理され、カットオフ周波数よりも高い周波数をもつ信号は、ノイズとして減衰させるのです。

通過域から遷移域へは連続的に移行します。そのためカットオフ周波数は、フィルタ回路の特性に対し最も重要な数値のひとつとして扱われます。また電源機器では、保護機能により出力や入力が遮断される場合などに「カットオフ」が用いられます。

カットオフ|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
コモン

コモン(common)とは、共通を意味する英語です。電気分野においては、複数の回路における共通した配線を意味します。

コモン線は、配線の簡略化のために用いられるのが一般的です。これにより端子の数を減らしたり、配線に使用するケーブルの量を減らしたりできます。また回路がシンプルになるため、配線がスッキリします。

しかし一方で、複数の回路で同じ線を共有するため、コモン線部分に断線や接続不良があったりすると、多くの範囲に影響を及ぼす危険性があります。そのため重要な回路については、あえてコモン線を利用せず、単独の回路を組むケースもあります。

24Vを基本とした直流回路においては、コモン線のよびかたが「プラスコモン」と「マイナスコモン」に分かれます。プラスコモンとは電圧供給側の配線を示し、マイナスコモンとは0V側の配線を示します。断線時の安全性への考慮から、プラスコモンが採用されるケースが多いです。

コモン配線は端子台で配線を隣に渡らせるなどの形で行われます。またPLCなどの機器においては、内部でコモン配線用の回路が組まれており、コモン端子が設けられているケースもあります。

コモン配線はアース(接地)やグランド(Ground)には含まれません。またコモンモードやコモンモードノイズなど、共通を意味するコモン(common)が使われる言葉が他にもあります。

コモン|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
静電容量

静電容量(electrostatic capacity)は、電気容量(electric capacity)またはキャパシタンス(capacitance)ともよばれます。コンデンサなどの絶縁された誘電体に対して、どれくらいの電荷が蓄えられるかを示すものです。

静電容量は単位電圧あたりの蓄えられた電荷として計算されます。記号はC、単位はF(ファラド)が用いられます。帯電体の電位と帯電量は、Q=CVで表わされます。

また静電容量式タッチパネルのように、静電容量の変化を検知して機器を動作させる仕組みも数多くあります。静電容量タッチパネルでは、電極に指が触れることで指がコンデンサのような役割を果たすため、電極間の静電容量が変化します。

パネル上に展開された電極のうち、どこの静電容量が変化しているかを検知することで、指のタッチや動きを検知しているのです。

静電容量方式タッチパネルのしくみ
静電容量方式タッチパネルのしくみ|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
シーケンス

シーケンスとは、連続しているものや、一続きのもの、順序や順番を意味します。このことから、制御の分野においては、あらかじめ定められた順序や手続きに従って動作を進めていく制御を指します。

例えば洗濯機の場合、スイッチを入れると、定められたコースに従って洗いやすすぎ、脱水などの工程を進めていきます。これは、室温を一定にするエアコンのような、センサーから送られてきた情報を元にフィードバックして動作をコントロールするわけではありません。
洗濯機のように、フィードバック制御を伴わず、あらかじめ定められた順序の動作を行うものをシーケンス制御といいます。

松定プレシジョンでは、パルスシーケンスやランプシーケンス、ステップ、繰り返しなどの設定が可能な直流安定化電源や電力増幅器、直流電子付加装置などを多数ラインナップしています。細かい出力パターンがプログラム可能な機種や、パソコンがなくても各種シーケンスの設定が可能な機種など、目的や用途に合わせたさまざまな機器を取りそろえています。

シーケンス制御の例
シーケンス|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
ドリフト

ドリフト(drift)とは、漂ったり、流されたりすることを意味する言葉です。ドリフトの意味はいくつかありますが、ここでは計測機器に対するものと、電流に対するものを紹介します。

計測機器においては、すべての状態が一定に保たれているにも関わらず、表示値や供給値がゆるやかに継続的に変化していってしまう好ましくない状況を示します。

例えば温度測定を行っているならば、温度に変化は起こっていないはずなのに、測定値だけが少しずつ上昇していくような状態です。計測におけるドリフトの原因は、温度変化や気圧、振動、磁場などの環境的な原因と測定器内部の劣化などです。また、ドリフトはゼロドリフト、スパンドリフト、ゾーナルドリフトに分類されます。

電流に関するドリフトは、半導体の内部を流れる電流を意味します。半導体内部では電圧がかかると電子や正孔が移動していくことにより電流が流れます。この電流の流れをドリフト電流といいます。またこのとき、電子や正孔はキャリアとよばれます。

ドリフト|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
パルス

パルスとは元々は脈拍や鼓動を意味する言葉です。しかし電気的には、非常に短い時間だけ流れる電流や電波のことを意味します。衝撃電流とよばれることもあり、単発の波である場合もありますが、高周波パルスのように、非常に短い時間の電流のON/OFFが連続するものもパルスとよばれます。なかでも、波の上下の幅が同じものは矩形波(くけいは)といわれます。

パルスは、ステッピングモータやサーボモータの制御の他、CDやDVDなどの信号にも使用されています。
松定プレシジョンでは、 HKシリーズ HAPシリーズ HOPPシリーズなどをはじめとして、高電圧パルスを供給可能な高電圧アンプを多数ラインナップしています。太陽光パネルの評価やピエゾドライバの他、ビームの偏向やコロナ放電、絶縁耐圧試験などさまざまな用途に使用できます。
ただし、パルス信号は電源のON/OFFが繰り返されることから、ノイズの発生源になり得ます。そのため、高電圧パルスの出力装置によっては、電波法第100条の規定により総務大臣の使用許可を必要とする「高周波利用設備」に該当するケースがあります。
機器の導入にあたっては、必要なパラメータだけでなく、高周波利用設備にあたるか否かの確認も行いましょう。

連続パルス
連続パルス|電源 用語集|松定プレシジョン
単発パルス
単発パルス|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
フローティング

フローティングとは、電位や回路がグランド電位から浮いている(離れている)ことを意味します。元々フロート(float)とは、物体が水や空気に浮かぶという意味を示します。そのことから、電位や回路が浮いている様子になぞらえてフローティングとよんでいます。

例えばフローティング電源は、出力をフローティングさせた状態で使用できる電源です。一般に直流電源を使用する際には、出力端の片方をグランドに接地しなければいけません。

フローティング電源では、入力側と出力側が高絶縁耐圧になっているため、グランドを使用せず、もう片方の出力端にも別の電源出力を接続できるのです。このような方式を非接地配線方式といい、高絶縁耐圧には絶縁トランスなどが使われます。

フローティング電源の使用例
フローティング電源の使用例|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
ランプ(Ramp)

通常ランプといえば光源(Lamp)のことですが、ここで解説するランプ(Ramp)は制御工学の分野における「ランプ」および「ランプ関数」についてです。

ランプ関数(ramp function)とは、正規化線形関数ともいい、時刻0までは常に0の値であったものの、時刻0以降は時間に比例する関数のことをいいます。ランプ関数という名前は、グラフの形状がランプ(傾斜)になっていることに由来します。

ランプ関数のように、ある時間以降、時間に対して正比例で入力が増えるものをランプ入力、またこのような入力に対する応答をランプ応答といいます。

ランプ入力と対で扱われやすいものとしてステップ入力があります。ステップ入力とは、ある時刻で高さ1の階段(ステップ)の入力を行うものです。グラフの形は、ランプ関数のような傾斜ではなく階段状になるのが特徴です。

ランプ制御は、たとえば温度調節器において、ある一定の速度で徐々に温度を上げるときなどに使われます。

ランプ(Ramp)|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
リップル

リップル(ripple)は直流の電流の中に含まれている脈動の成分のことです。リプルともよばれます。電源入力周波数やノイズであるスイッチング周波数と同期した成分が出力電圧に重ねられるのが特徴です。

電源内部の入力平滑コンデンサの容量やアンプの応答速度のほか、スイッチング周波数や出力フィルタ、出力電流によって脈動成分の条件が決まります。

リップルに似たものとしてノイズがありますが、JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)の規格によると、リップルは交流電源と同じ50Hzや60Hzの周波数成分からなる変動と定義されている一方で、ノイズはACアダプターのスイッチングにより生じる数十kHz以上の周波数成分からなる変動と定義されています。

リップルとノイズの両方の性質をあわせ持つものをリップルノイズといいます。電源装置において出力電圧を安定させたい場合には、リップルノイズが少ないものが適しています。

リップル|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
リップルノイズ

出力ノイズは出力電圧に重畳されるリップル以外のノイズ成分だけを言い、Peak-Peakで表します。スイッチング電源ではほとんどが矩形波インバータを使用しているため、スイッチングトランジスタや出力整流ダイオードから出るノイズが出力に出てきます。

トップへ戻る 
リモートコントロール

離れた場所から個別にon/offする場合や、複数の電源のそれぞれの立ち上がりや立ち下がりに時間を設ける時に使用します。外部信号で電源の出力をON-OFFする機能をいいます。リレー接点、トランジスタ、ICで駆動できます。LOWでON、HIGHでOFFするものと、その逆がのものがありますので、仕様をご確認の上ご使用下さい。

トップへ戻る 
過電圧保護(O.V.P.)

負荷に過電圧がかからないよう、規定値以上の電圧が出力されないよう保護する機能です。過電圧保護回路が動作すると、電源は出力を停止します。

トップへ戻る 
校正

校正とは、計測機が正しく計測を行えているか、正しく動作しているかを確認する作業です。「較正」とも書きます。

JIS Z 8103:2000 のJIS計測用語では「校正とは、計器又は測定系の示す値、若しくは実量器又は標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業」と定義されています。

計測機は、初期状態であっても、例えばはかりや重量計では同じ測定物でも緯度や高度によって小さな値を示すなど、測定値の偏りをもっていたり、使用していくうちに真の値と測定値にズレが生じたりする場合があります。

このような状態を放置すると測定の信頼性が失われる他、不良品の流出や制御の失敗など、さまざまな影響が起こります。

そのため計測機は、定期的に校正を行い、その機器を用いた測定結果が正しいことを証明する必要があるのです。校正は基本的に、測定前と測定後の2回行われます。連続的に使用される測定機の場合には、あらかじめ周期を決めておき、それに沿って校正を行います。

校正周期は機器の使用頻度などによっても変化します。校正は、あくまでも点検です。校正の結果、ズレが大きい場合などは、別途調整などの作業が必要になります。校正には、計器の誤差を修正や調整することは含まれていないので注意が必要です。

校正|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
使用温度

電源の仕様を保証できる、運転時の周囲温度をいいます。無風状態で、水平設置した場合の値です。他の設置状態は避けて下さい。内部に強制空冷用のファンを内蔵しているものは流入空気の温度をいいます。電源の寿命は10℃上がるごとに半分になります。できるだけ低い温度での使用が製品の寿命を延ばします。

トップへ戻る 
絶縁・耐圧

<絶縁抵抗>
指定された端子間に規定の直流電圧を印加した場合の抵抗値をいいます。

<耐電圧>
指定された端子間に規定の交流電圧を印加スパーク放電しないか、電源が破壊しない電圧のことをいいます。耐電圧試験ををする場合、インパルス電圧が発生しないよう、印加電圧を0Vからゆっくり上げるか、ゼロクロススイッチを使って電圧を印加して下さい。

トップへ戻る 
絶縁抵抗

絶縁抵抗(Insulation resistance)とは、絶縁体の抵抗値で、絶縁性を表わすものです。銅やアルミニウムのように電気を流しやすいものは導体とよばれ、非常に低い抵抗値を示します。一方でゴムやガラスのような電気を通しにくいものは絶縁体(不導体)とよばれ、非常に高い抵抗値を示します。

電気設備や電子機器の回路においては、電気を流す部分がある一方で、電気が意図しない場所に流れ出していかないようにしなければいけません。回路が意図したとおりに働かないだけでなく、短絡(ショート)や漏電、感電の危険があるからです。そのため絶縁体を用いて適切な絶縁を行う必要があります。

絶縁抵抗は、絶縁体の抵抗値を測定することで、絶縁不良が発生していないかを確認するために測定されます。この測定を絶縁抵抗測定といいます。絶縁抵抗測定では、計測される抵抗値が非常に高い値を示すため、絶縁抵抗測定専用のメガーとよばれる絶縁抵抗計を使用します。

測定機は使用する電圧によって低圧用と高圧用にレンジを切り替えて使います。絶縁抵抗計では、測定対象物に高電圧を印加し、流れる電流から抵抗値を求めます。

低効率[Ω・m]
絶縁抵抗|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
接地

接地はアースともよばれています。アースとは地球(Earth)を意味しており、金属の筐体や導線などの導体を用いて、電気の回路と地面(地球)に接触させることを意味します。接地には保安用接地、機能用接地、雷保護用接地の3種類があります。

接地のことを「グランド(GND)」といわれることもありますが、グランドは回路動作の基準となる電位を意味しており、接地とは違うものです。

保安用接地は保護接地ともよばれ、電気製品などが漏電を起こしたり、過電流によって電気が流れ出した場合に、機器や周辺設備、使用する人を保護するために行われるものです。

流れ出した電気を地面に流し、安全を確保するのが役割です。保安用接地にはA種、B種、C種、D種の4種類あり、電圧や用途によって分けられています。

機能用接地は電気機器の安定した動作のために行われるものです。地面を電位が0の地点とし、地面そのものを回路の一部として使用することで、回路の動作を安定させます。

雷保護用接地とは、雷によって発生した電流を避雷針から安全に大地に放流するための接地です。雷による電流のエネルギーは非常に大きく危険なため、機器や建物を破壊してしまいます。

そこで建物や人、電気システムや情報システムを保護するために雷の電流を地面に逃がすために用いられています。

接地|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
相対湿度

相対湿度とは、ある温度において空気中に含むことができる最大限の水分量(飽和水蒸気量)に対し、どの程度の水分が含まれているかを示す値です。 単位は%で、空気の乾燥具合を知るために天気予報などで一般的に使われている数値です。一般的に「湿度」は相対湿度のことを表し、測定方法は日本工業規格のJIS Z 8806で定義されています。

空気中の飽和水蒸気量は気温によって変わるため、空気中に含まれている水分の量は同じでも、気温が変わると相対湿度も変化します。
湿度の表し方には、絶対湿度もあります。絶対湿度は1立方メートルの空気に含まれる水分(水蒸気)の重さを示す値で、単位はg/m3です。空気中に含まれる水分量が変化しなければ、気温が変化しても絶対湿度は変化しません。

日常生活だけでなく、製品の製造原現場や試験現場においても、環境の把握には相対湿度が用いられます。なぜ絶対湿度よりも相対湿度が重要かというと、相対湿度が示すのは結露のしやすさでもあるからです。
製造中や検査中に製品や機器に結露が生じると、品質に影響を与えてしまいます。結露が起こりにくい環境を維持するためには、相対湿度のほうが管理しやすくなります。そのため、相対湿度が多く用いられているのです。
電子機器を使用するのに適した湿度は45から50%といわれています。湿度が高くなりすぎると結露などの可能性が増えますし、低くなりすぎると静電気などが発生する可能性が高くなるためです。

相対湿度|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
定格

定格とは、機器や装置などにおいて、指定された条件における仕様や性能などを意味します。電気機器などの場合、電圧や電流、周波数、出力や負荷などについて、定格が設けられます。また絶対最大定格、連続定格、瞬間最大定格、短時間定格、などの定格もあります。

例えば、定格電圧が80V、定格電流が50A、消費電力が800Wの安定化電源(PKT80-50(800W))の場合、最大出力電圧は定格の80Vになります。
またこのときの消費電力は800W以下になるので、定格内で使用できる10Aまでになります。さらに電流が50Aの場合は、800Wの制限により電圧は、16Vまでになります。

定格|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
等価回路

等価回路(Equivalent circuit)とは、端子の電流、電圧、周波数特性がもとの回路と等しい別の回路を意味します。特定の目的のために、簡略化して表現した代用の回路と考えるといいでしょう。

例えばDCモータを用いた回路を、抵抗やインダクタンスなどの電気要素のほか、摩擦などを担う機械要素で再現し、モータと同じような電流-電圧特性を持たせたものを等価回路といいます。
LCRメータでは、等価回路モデルを"直列等価回路"または、"並列等価回路"で、L:インダクタンス、C:キャパシタンス、R:レジスタンスの各パラメータに換算して表示します。

さまざまなものを、一定の条件下においてシンプルな等価回路に置き換えることにより、現象の観察などが行いやすくなります。
また等価回路は、機械的な振動など電気回路だけでないものを電気回路に置き換えて模擬することができ、生体のインピーダンスモデルなど、さまざまな分野の解析に使用できます。

直列等価回路
直列等価回路|電源 用語集|松定プレシジョン
並列等価回路
並列等価回路||電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
突入電流

突入電流とは、電機機器の電源を入れた際に、瞬間的に定格電流よりも大きな電流が流れる現象です。英語ではInrush currentと表記します。

現象発生時には、電源を入れた直後から回路に定格値を超える大きな電流が流れ、ピーク電流値に達します。その後、電流値は下がり、徐々に定格電流値に収束します。突入電流が発生すると、回路に過負荷やショートが起こっていると誤認識されてしまう可能性があります。それによりブレーカーが落ちたり、電圧が降下して、そこに接続されている機器が停止してしまう場合もあります。

突入電流が発生する理由はさまざまですが、コンデンサを含む機器の場合、まずコンデンサを充電する必要があるため、大電流が流れる場合があります。またフィラメントを持つ機器においては、フィラメントが過熱する前はフィラメントの抵抗が小さい状態となるため、大きな電流が流れやすくなります。

松定プレシジョンが提供する電源装置では、突入電流の発生 を抑制し、定格内で動作できるように調整しながら電力を供給する機能を持ったものも数多くあります。

突入電流|電源 用語集|松定プレシジョン
トップへ戻る 
入力電圧

各仕様を保証できる入力電圧の範囲を表します。交流入力の場合は実行値を表します。交流入力は単相用と、大電力場合3相入力タイプがあります。

トップへ戻る 
入力電流

電流に流れ込む電流で、実効値で表します。シリーズ方式、スイッチング方式共にコンデンサ・インプットの整流回路を内蔵しているため入力電流は正弦波とはならず、下図のような波形になります。PFC(力率改善回路)が付く場合は正弦波となります。

トップへ戻る 
入力電力(入力容量)

電源はコンデンサ・インプットの整流、平滑回路を使用しているため、入力電流の波形が歪んでいます。そのため、入力電圧(実効値)と入力電流(実効値)の積である皮相電力と入力電圧と入力電流の積の積分値である有効電力とがあります。皮相電力は電源に流れ込む電力で、有効電力は電源で消費される電力となり、その差の電力は商用電源側に帰っていく電力となります。

トップへ戻る 
入力変動

入力電圧を仕様範囲内で変化させた時の出力電圧の変動をいいます。

トップへ戻る 
負荷変動

<静的負荷変動>
無負荷から定格負荷まで変化させた時の出力の変化をいいます。

<動的負荷変動>
過度応答ともいいます。急激に無負荷から定格負荷まで変化させた時の出力の応答。

トップへ戻る 
保存温度

非動作状態で性能に劣化を生じさせずに保存できる周囲温度をいいます。電解コンデンサの劣化が進行しますので、高温での長期保存は避けて下さい。

トップへ戻る 
放熱

電源は電気エネルギーの変換機器ですので、変換効率の差分はすべて熱となって放出されます。この熱をどう逃がすかが設置のポイントです。

<自然空冷の場合>
自然空冷の場合、輻射と対流により放熱します。ほとんどが対流による放熱となりますので、空気が流れる隙間を十分に取って下さい。筐体に入れる場合は内部に暖められた空気が蓄積しないように、外部の空気の出入口を設けて下さい。この場合、入口よりも出口を大きめに設計すると効果があります。電源の設置方向はあらかじめ決められた向きで使用して下さい。

<強制空冷の場合>
強制空冷の場合、電源内部に強制空冷用のファンを内蔵しています。吸気口や排気口をふさがないよう空間をあけ、周りのものが吸い込まれないように設置して下さい。ほこりなどの多い環境で使用すると冷却効率が悪くなりオーバーヒートする場合があります。また、吸気する空気の温度(周囲温度)にも注意が必要です。

トップへ戻る 
力率

力率とは、電源から得られた電力のうち、どれくらいが使われたかを示すものです。交流電力の効率ともいえます。

例えばモータなどの機器を利用した場合、実際に仕事をした電力(有効電力)は、本来の電力である電圧と電流の積に比べて小さくなってしまいます。これは機器の中に組み込まれているコイル(誘導負荷)やコンデンサ(容量負荷)に由来し、負荷と電源の間を往復するだけで消費されない無効電力などが原因です。

つまり、力率が高いほど、機器の効率が高いことになります。力率は力率計などによって計測されます。一般家庭などにおける力率は、およそ85%程度だといわれています。高圧受電設備(キュービクル)などの場合には90%~99%程度になります。

力率|電源 用語集|松定プレシジョン トップへ戻る 
効率

出力電力と入力有効電力の比で表します。仕様値は定格出力電力の時で表示されており、出力電流が小さくなると、効率が悪くなります。

トップへ戻る 
漏洩電流

安全面から各国の安定規格で定められている電流です。入力から1次側部品やトランスの1次-2次間の浮遊容量、ノイズフィルターの接地コンデンサなどを通して大地へ流れる電流をいいます。測定は下図に示すもので行います。

トップへ戻る 
Index