BGA、CSPの欠落、ショート、ボイド、接合状態のX線検査
BGA(Ball Grid Array)やCSP (Chip Scale Package)のX線検査は、BGAやCSPのボールやバンプの接合状況を評価するための非破壊検査方法の1つです。この検査方法は、X線透過像を使用して、BGAやCSPとプリント基板の接合状態を観察し、ボールやバンプの位置、形状、接合面積、クラックや空洞などの欠陥を検出します。
X線検査は、BGAやCSPの裏面にある接合部分の位置や状態を目視で確認することができないのでプリント基板の実装検査に利用されています。半導体パッケージの小型化や高密度化に伴い、高倍率、高精度でのX線検査を求められる為、X線源にはマイクロフォーカスX線管が使用されます。
BGAのX線検査項目
ブリッジ、未接合、ボイド、無バンプ、無パッド、無はんだ、ずれ、傾き、バンプサイズ
IC、LEDのワイヤボンディングの断線、接続不良、ワイヤ流れのX線検査
電子機器や電子部品のワイヤボンディングの状態チェックは、これらの製品の信頼性向上に欠かせません。
松定プレシジョンのX線検査装置なら、ICやLEDなどの電子デバイスにおける微細な断線や接続不良、さらにはワイヤ流れの有無などを逃さずチェックすることが可能です。
電池、コンデンサの巻き状態のX線検査
二次電池の極板の巻き具合やコンデンサの電解紙や電極箔の巻き具合といった、性能を左右する重要な構造上の瑕疵の有無を、部品を破壊することなく検査できます。
IGBTやパワーMOSFETといったパワーデバイスやICチップなどのはんだ量およびボイド状態の検査
IGBT (Insulated-Gate Bipolar Transistor)、IPM(Intelligent Power Module)やSiC、GaNパワー半導体では、パッケージングや実装技術では、放熱性能など接合部分のボイド率の検査が必要です。ある半導体サプライヤーは、はんだのボイド率が25%以下での実装を求めています。
より一層の省エネが求められるこれからの時代を担うパワーデバイスなどの電子部品の性能を確保するためには、チップ下のはんだ量やボイド率を管理する必要があります。X線検査によってこれらの管理をより正確に行えるため、品質の向上に大きく貢献します。
ボイド率の検査が必要な半導体パッケージなど
- LGA (Land Grid Array)
- QFN (Quad Flat No Leads)
- COB (Chip On Board)
- DBC (Direct Bonded Copper)基板
- AMB(Active metal brazed)基板
リレー、スイッチの接点状態のX線検査
スイッチの動作不良の原因をX線による非破壊検査で調べることができます。断線や接点溶断、溶解、溶着、あるいは外部からの衝撃による内部構成部品の変形に起因する接点の接触不安定などの状態を見ることが可能です。
コネクタ内部のかしめやはんだの状態のX線検査
コネクタと電線との接合部分の良・不良を観察できます。はんだの状態や圧着のかしめ具合、圧接の状態、ピアッシングによる接続の状態などを見ることが可能です。
樹脂成型品・インサート成形品の内部X線検査、ガラス繊維の流れ状態
一定以上の厚みのあるプラスチック成型品で特に発生しやすいボイドや、インサート成形品における位置精度や多重挿入・未挿入の有無、ガラス繊維を添加している樹脂部品で問題になりやすい「反り」の原因となる繊維配向などを、CTによる3次元画像で観察・計測できます。
アルミダイカスト製品の鬆(す)、割れのX線検査
耐久性に悪影響を及ぼす鬆(す)や割れなどの不具合を、対象物を破壊することなく検査することができます。
溶接部分のブローホールは、強度や靱性に大きな影響を及ぼします。X線検査装置は、溶接部分を破壊することなくブローホールの有無を検査することができます。
ボトルとキャップの嵌合状態
通常、ボトル類のキャップ部分の嵌合具合を観察するには、嵌合部分を横から観察する必要があります。松定プレシジョンのX線検査装置は横照射タイプもラインナップしていますので、このような検査にも対応できます。
加えてCT機能も選択できますので、さらに詳細な検査も可能です。
各種センサや検出器の内部状態X線検査
各種のセンサや検出器(ディテクタ)の電気的あるいは機械的な不具合をX線による内部状態の観察で検査できます。
歯科材料(義歯など)の内部検査
ジルコニアなどのセラミックスやスルフォン、レジンといったプラスチックなど、義歯の床材あるいは義歯そのものとして使用される材質についても透過検査が可能です。内部のひび割れなどの不良を事前につかむことができます。
種子や小動物などの内部X線観察
バイオ分野における様々な透過観察にも対応可能です。種子内部の透過検査用として、植物検疫所にて当社のX線検査装置を導入頂いた実績もございます。
燃えカスのX線検査
不具合X線画像解析